青木雄二大全集2 ナニワ青春道
商品説明
内容紹介
青木雄二、青春時代のエピソード満載!
マチ金を舞台に、金銭にまつわる人間模様を描いた、あの名作漫画『ナニワ金融道』の作者である青木雄二氏の著作が電子書籍化!
ナニワ青春道と題した本書は、青木氏の子供時代のエピソードから、いくつもの職を歩んだ時代を経て『ナニワ金融道』が生まれるに至るまでの興味深いエピソードが満載!なんと『ナニワ金融道』を描くキッカケはドストエフスキーだった!?
その他にも、働き方や宗教などの現代社会の問題を“本音”と“正論”で鋭く切り込む青木節が炸裂!
『ナニワ金融道』を読んだ人はもちろん、読んでいない人にも自信を持ってオススメできる一冊!
これはまさしく現代人のためのリアル・バイブルだ!
目 次
第一章 野球少年
世の中の人間は所詮二種類。頭悪うて、国にええようにされる奴と、自分でなんとかしようとする奴や
子供の頃は、いつもリーダーやった。危ない遊びを提案しては、強引にOKさせてた
今のサラリーマンはアホばかり、奴隷的サラリーマンが多過ぎる
藤村みたいな大スターが、どうして仲間から嫌われるのかわからんかった
ショートゴロと共に、僕の青春も、プロヘの夢も消えていった
第二章 旅立ち
資本主義ゆえの矛盾が、高校野球にもある
僕は、ガキ大将してたから、弱い者の立場がよくわかった
喧嘩も、教育も、やっぱり〝目きき〟がいるってことやね
要は、資本主義か共産主義か、二者択一の世界になってしまう
嫁とか家族があったら、殴りとうても殴れへん。それが耐えられなかった
社会科の先生は、どこでも労働条件は同じと教えた。大嘘やったんや
世の中は、少しずつ進歩してるから、そのうち僕の考えが正しいとなるはず
何かやろうとしたら、絶対最初は、辛い目をせんといかん
こうなったら、徹底的に社会勉強したろと思たからね
第三章 独立
「人のせいにしたらいかん」という言葉が、まったく説得力持たん時代や
不良みたいに見えるボーイも、職人や工員より辛い面もある
預金やなく、銀行に融資したったらええんとちがうか
集団就職から美容院のネエちゃんになり、水商売というパターンが多い
パチプロもどきの生活してる時、これがアインシュタインの相対性理論かと思った
金ていうのは、みんなで分けると少ないけど、一人が独占すると大きいということや
第四章 宗教と資本主義
選挙結果を見る度に、この国の庶民はお人好しが多いと思ってしまう
人を見かけで判断してはいけないという教えが、ちょっと行き過ぎてるんとちがうか
未だに超能力やインチキ宗教にはまる人が跡を断たない。これは一体どういうことやろ
こんな世の中やからこそ逆にチャンスなんや
人間いうのは、教えないと必ず同じまちがいをする
宗教がなければ、ここまで資本主義は発達しなかった
第五章 罪と罰
一体、神ってなんや? そんなもん誰もハッキリ答えられんやろ
結局、宗教いうのは、幹部連中のやりたい放題を黙認するシステムになる
よく考えて欲しいのは、自我というものがいつ生まれたかということ
人間というのは、自分の立場によって、コロコロと意見が変わるもんや
サラ金に手を出して、追い込みかけられてるのを何人も見てた
「罪と罰」と出会わなかったら、「ナニワ金融道」は生まれてなかった
ドストエフスキー読んで、目の前が広がった気がした
大切なのは、どんな経験であっても、決して無駄にならんということ
第六章 夜明け
金も名誉もなくていい。しかし、夢と希望だけは持てといいたい
人間は、どこかで自分を律するブレーキがなかったらいかん
牛や鶏は頭が悪いから食うてええいう理屈らしい。ごっつい差別や
貨幣という流通形態ができて、貧富の差が生まれたんやろ
どんなケダモノでも、可愛がると従順になってしまう
僕からいわせたら「勇気あるなあ、共産党は……」ってとこや
あるのは、「神とか仏とかはあるかもしれん」という人間の気持ちだけや
神の本質を教えるってことは、ものすごく大事なことなんや
「ナニワ金融道」は、切れば血の出る生きてる漫画なんや
必要なのは、自分を信じる心や
青木雄二(あおきゆうじ)
1945年京都生まれ。岡山県立津山工業高校を卒業後、電鉄会社、地方公務員を経て、主として各種水商売のボーイ、店員を経験。その後、デザイン事務所経営。1990年に『週刊モーニング』誌に『ナニワ金融道』で漫画家デビューし、大反響を呼ぶ。
1988年には、第2回「手塚治虫文化賞」を受賞。漫画家引退後は、その鋭い金銭感覚と歯に衣を着せない発言で講演、執筆などで活躍。2003年没。