2パック[ラップ・ゴッド最後の言葉] 　|　N. U. D. E.

俺は待ってたんだ。
『ストレイト・アウタ・コンプトン』のときからずっと。
憧れのドレーから「準備はいいか?」って声をかけられるのを。

初めて俺のミュージックビデオが流れたとき、
俺は刑務所の中でオマワリたちにボコボコにされていた。
-トゥパック・シャクール

伝記映画『オール・アイズ・オン・ミー』副読本の決定版!
いよいよ2パックの発言集が発売されちゃいます!!

テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、スタジオのセット、塀の中から…
伝説のラッパーが生前に発信したインタビュー、コメントの中からホンモノの言葉を厳選!

ペンで書かれたアルバムの歌詞、映画のセリフだけではトゥパックの凄さは語れない!!

序文はあの元『BLAST』名物ライターにして、ブルックリン在住のDJ/音楽プロデューサーの沼田充司氏!
2パック本人と実際に親交のあった沼田氏だからこそ明かせる秘蔵のエピソードを公開!!

◎全頁オールカラー!
2パックの写真満載! ラップ・ゴッドをリスペクトした美しいビジュアル!!

◎テーマごとに分けた発言!!
ME AGAINST THE WORLD〈全世界vs俺〉CREATE NEW GENERATION 〈若者代表〉THUG LIFE〈サグ・ライフ〉
BEEF〈東西抗争〉 RICH AND POOR 〈金〉LOVE〈女〉FATE〈運命〉…

◎コンプリート年表付き!!!
MCニューヨークとして「初ステージを踏んだ日」、ビギー・スモールズとフリースタイルをかました「あの日、あの場所」、「マドンナと出会った瞬間」までもが鮮明によみがえる!!

◎キーワードで徹底解説!!!!
ブラックパンサー党、母親アフェニ・シャクールと5人の父親たち、127丁目劇団、ボルティモア芸術学校、
クワッド・スタジオ襲撃事件、クリントン刑務所、タイソン対セルドン戦 、ドクター・ドレー、シュグ・ナイト、スヌープ・ドッグ、ナズ、パフ・ダディ、トランプ、マリリン・モンロー、ヴァン・ゴッホ、ジェームズ・ディーン…パックが語っていた意外な人物まで!

2パック
本名:トゥパック・アマル・シャクール。1971 年6 月16 日、ニューヨークのイーストハーレムで生まれる。12 歳のときに劇団に入ったのをきっかけに芝居の楽しさに目覚め、その後シェイクスピアの舞台等で演技力を磨く。80 年代末から音楽活動を本格化。デジタル・アンダーグラウンドのメンバーを経て、1991 年にソロデビュー。1992 年、映画『ジュース』のビショップ役が当たり役となり瞬く間にブラック・コミュニティのアイドルとなる。ゲットーの黒人少女による嬰児遺棄事件をモチーフに、社会の無関心と無慈悲を問いかけた『Brenda’s Got a Baby』をはじめ、元ブラックパンサー党員の母親から受け継いだ高い教養を感じさせる作品多数。同胞に対するやさしい眼差し、類まれなるカリスマ性から次世代のブラックリーダー候補と目されていた。しかし、私生活ではアルコールとドラッグが手放せず、それらが原因とみられる暴力行為、トラブルを数多く起こす。サグ・ライフと君主論を自らの哲学とし、警察とも度々衝突。逮捕起訴、民事訴訟が相次ぐ中、女性への性的虐待の裁判で有罪が確定。ついに刑務所へ収監される。服役中にリリースされたアルバム『ミー・アゲインスト・ザ・ワールド』(1995 年)は売り上げ300 万枚を 達成。出所後、凄まじいハイペースで制作した楽曲をアルバム『オール・アイズ・オン・ミー』(1996 年)としてリリース。このアルバムはラップミュージックとしては史上初の2枚組でありながらセールス500 万枚を突破。人気絶頂の最中、何者かによって放たれた凶弾に倒れる。1996 年9月13 日、永眠。享年25。エミネム、ケンドリック・ラマーを筆頭に人種、世代、ジャンルをも超えてリスペクトされ 続ける伝説的ラッパーである。

著者について
編者/N. U. D. E.(ぬで)
ブラックパワー研究所代表。編集者としては商業誌にて日本で最初にBボーイであることを表明する。1990年代初頭からONYX、ウータン・クラン、ジュニア・マフィアといったゲットー・セレブリティたちの見た目のカッコよさに単純にヤラれ、彼らの育ったニューヨークのプロジェクトをヒヤヒヤしながら、 うろつき回る。その研究過程で、黒人男性の不敵で素敵すぎるアティチュードのルーツが、モハメド・アリ、マルコムX、ヒューイ・ニュートンなど、命の危険をかえりみずに黒人の権利獲得のために戦った人々であることがわかり、伝説的アウトロー&タトゥー雑誌『BURST VOL.4』(コアマガジン/1996年5月 発行)にて「黒人自衛集団/黒豹党(BLACK PANTHER)」を企画立案。その中でブラックカルチャーをマスメディアに紹介したパイオニアたちを表敬取材。1960年代にブラックパンサー党を追いかけた写真家の金坂健二氏、ニューヨーク・ハーレム地区のブラック・コミュニティに住み、庶民の暮らしを撮影した 写真家の吉田ルイ子氏に話を聞く。編書に『モハメド・アリ語録[世界を揺るがした勇気のことば150]問題は倒れることではなく、立ち上がろうとしないことだ』(ゴマブックス/2017年6 月発行)がある。また、最近ではゴンゾ氏による日本初のギャングスタ・ラップ研究書『ギャングスタ・ラヴ GANGSTALUV』(ブルース・インターアクションズ/2001年1月発行)の復刊に尽力。こちらは鬼レア・カセットテープ・コレクションを増頁したペーパーバック新装版としてAmazon 限定で近日発売予定。

序文/沼田充司(ぬまた・あつし)
DJ/プロデューサー。東京都北区出身。ニュー・ウェイヴ旋風真っ只中の80年代初頭に音楽活動を開始。1987年に渡英し、後にマッシヴ・アタックへと発展するグループ、ワイルド・バンチの面々と行動を共にする。1988年末よりニューヨークへ移住。45キング、 クイーン・ラティファ、ラキム・シャバズ、 アパッチ、ノーティー・バイ・ネイチャーらを擁するDJ&MCクルー、フレイヴァ・ユニットに加わる。1990年、フィーメイル・ラッパーのアンバー・サンシャワーとグルーヴ・ガーデンを結成。1992年にはトミー・ボーイから12インチシングル『YOU’RE NOT COMING HOME』をリリース。1993年、フレイヴァ・ユニットのメンバーによるコンピレーション・アルバム『Roll Wit Tha Flava』にグルーヴ・ガーデンとしてシングル曲『Since You Asked』を提供。1994年から1997年まで、NYイーストヴィレッジにあるウェブスター・ホールで週3のレギュラーDJをつとめる。1995年に自身のレーベル、ブダフェスト・レコーディングスを設立。ブルックリンの2人組MC、ダブルL(のちのエクスプレズ)、ソニー・シーザ(ONXYのMC)との客演で知られるスティーブン・キング、カナダのモカ・オンリーなど、実力派ラッパーを数多くプロデュースする。並行してオルタナティヴ・バンド、ホワイト・ハッスルのツアーにDJとして参加し、ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョン、ルー・リード、モデスト・マウスらと共演。1996年からは音楽誌での執筆活動を本格化。特に『FRONT』『BLAST』(シンコー・ミュージック)で長期に渡って続いた連載「STACK vs NUMATA」が、日本のヒップホップ・ファンに与えた影響は大きく、連載に刺激を受けて、DJ、MC、ライターの活動を始めたヘッズ多数。近年は映画製作にも進出。ヒップホップ黎明期をテーマにしたドキュメンタリー『We Was All Kings』では、ピート・DJ・ジョーンズ、グランドマスター・フラワーなど伝説的な人物を追いかけ、「ヒップホップはクール・ハークが始めた」というそれまでの定説に一石を投じた意欲作。ベルリンをはじめとするヨーロッパ各国の映画際で出品され、高い評価を得ることになる。著書に『イッツ・マイ・シング ~20イヤーズ・オブ・ヒップホップ』(シンコー・ミュージック/2008年1月発行)がある。